【ツボと向き合う】
(1) 自分のツボを探します
最初は頭皮が固いので、頭の重みを利用しながら進めます。
まずは仰向けに横になり、手を頭の後ろに回して下から支えて下さい。
親指や人差し指で、後頭部の風池と呼ばれるツボの周辺を揉んでみます。
場所は首と頭の境目付近です。有名なので、ご存知の方も多いと思います。
必ずしも一点を探し当てなくても構いません。
何となくイタ(痛)気持ちいい場所があって、「あー、これがツボかな」といった感じです。
これが頭ほどきの出発点です。
この要領で、頭の形をチェックしながら自分のツボを探していきます。
どなたでも、イタ気持ちいい場所が必ず見つかります。
頭と首の境目や、後頭部、耳の周辺など、実際に押してみることで、
痛みの強い場所の中から、自分の目標にするツボをいくつか選びます。
ここで言うツボは点ではなく、その周囲の縮む力が寄せ集まった場所のことです。
ですから、この先に揉み進める場所は、必ず「ツボ付近」になります。
このツボと感じる場所と、その周辺を揉んで行きます。
ツボの周辺を繰り返して押すと、固く締まった頭皮が少しだけ柔らかくなり、
わずかですが楽になります。
頭皮が固くて動かせないうちは、押す方向を色々と変えながら柔らかくします。
本格的にほどく前の、準備運動として大切です。
(2)立体的に揉みます
目標のツボ付近に察しが付いたら、その場所を立体的にほどいて行きます。
ツボに集まってくる、いくつか方向の違うコリをほぐします。
コリは、頭の表面で巻き締まるようにして、固定されています。
これを揉む場所の形に合わせて、指を何本か使って揉みます。
まるでクリップのロックを1枚ずつ外すように。
ツボ付近を中心に、ネジを巻き戻すようにして、繰り返し揉んで行きます。
コリは張り付いて固いため、短くて薄いネジに見立てて、繰り返し揉みます。
自分自身では頭皮がほぐせることに気付きにくいので、
無理のない強さで指先をうまく使いながら、立体的に伸ばすように、
複数の方向に繰り返し揉みます。
コリによっては、伸ばす方向が放射状とは限りません。
頭皮の中に、立体的な重なりが出来ている場合もあります。コリは複雑です。
そういう場合は、まるで耕すように場所や方向を細かく変えながら揉みます。
動かせなかった固い頭皮がわずかに動かせたら、ひとまず成功です。
固い頭皮であっても、ほぐせる事に気付くことがとても重要です。
要領をつかめば、広く応用が利きます。
頭皮が多少柔らかくなってきたら、体を起こした状態でも結構です。
椅子に座るほうが、頭コリの方向性に気付きやすいと思います。
頭や首のコリは複雑なので、こうした細かいストレッチの繰り返しが必要です。
積み重ねていけば無駄な力が抜けて、身軽で良い姿勢へと向かいます。
根気が必要ですが、柔らかくほどける時の安堵感は他にはありません。
あれほど窮屈な不快感に苦しんでいたのが、無駄な力によるコリが原因だなんて。
それまで無関心すぎた自分を、大いに反省する瞬間でもあります。